山と生きる「天空のみかん」

国見みかん

 

「和の道」と呼ばれる渓谷沿いの道を登ると、眼下に緑碧の那珂川が広がる。

烏山(からすやま)という地名にふさわしい、野鳥のさえずるノスタルジックなふるさとが待っている。

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栃木県那須烏山市商工観光課リンク

・近代化遺産のご紹介

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プロダクトの始まり

(株)栃木リキュール

リキュール製造者 原 百合子

 初めて国見の名前を聞いたのは2015年、県職員からの紹介でした。百聞は一見に如かず、私は国見を訪れることになります。

 私には烏山の思い出がいくつもあって、特に子供の頃には夏の那珂川を泳いだり「ヤナ」で炭火焼きの鮎を食べたりと、自然にふれあう場所でした。

大人になってからは戦争の名残のある洞窟酒蔵や、ユネスコ無形文化遺産に登録された山あげ祭り、和紙すきなど、烏山城下町ならではの文化を肌で感じました。

 私は加工の際に、みかんを軽く磨いて切って、皮を乾かすところから始めます。この時ばかりは全製造を停止して、製造室の温度を上げて湿度をカラカラにして、みかんの皮を乾燥させます。高い位置に並べた皮が乾いたら布袋に入れて、低い位置の皮をまた高い位置へ移動させます。果肉は全てジューサーにかけて、お世話になった方々へ配布します。旬のみかんジュースは風邪予防になるに違いありません。

 私たちがみかんを食べるときは、皮をむいて香りを感じ、房を食べて甘味や酸味を感じています。みかんの印象は皮の香りで決まるので、実は房だけ手渡されて食べても、みかん本来の良さは伝わりにくいのです。

 私はこのパズルのようなみかんの皮がとても好きです。国見みかんの持つ森の香りが皮のオイルに凝縮されて、一番国見らしいと思うのです。実のままでは2カ月ほどで固くなってしまいますが、リキュールにすることで1年じゅう、国見の魅力に出会えるようになります。

 少しでも多くの方に、リキュールを通して国見の風景を味わっていただきたいです。

 那須烏山市街から南東の山に入った国見地域は、ちょっとした異世界で、シンとした本物の静けさ、天国のようにさえずる鳥の声、綺麗な空気とそこに入り混じる圧倒的なみかんの香り、声が遠くまでこだまする山々、その斜面にみかん畑はありました。

 国見には現在5軒のみかん園があり、そのうち3軒は80代の農家さんが営んでいます。幼い頃にみかん園を訪ねた人が、今は孫と一緒に「親子三代で毎年楽しみにしている」と通い続ける場所です。