北緯36度のゆず

宮ゆず

farmer:床井光雄

area:宇都宮市新里

日光連山から吹き付ける冬の風「日光おろし」が、新たに始まるゆず栽培の越冬に何度も立ちはだかりました。

やがて、寒さゆえに皮の厚いゆずが実るようになりました。

厚い皮にはオイルが豊富に含まれ、香りの高いゆずが、長い年月をかけて完成しました。

プロダクトの始まり

(株)栃木リキュール

リキュール製造者 原 百合子

2016年、当時バーテンダーだった私が、製造業の現場を知るため食品加工設備見学に参加したとき、初めて出会ったのが床井光雄さんです。床井さんは「今度うちの畑へおいで」と声をかけてくれました。

柚子園を訪ねてみると、静かな、時の止まったような美しい風景がありました。よく話してみると、床井さんご夫婦は私の大学の大先輩でした。真摯な光雄さんと、柚子加工の工場長とおっしゃる明るい奥様と接するうちに、私はこれからも柚子に関わって、役に立ちたいと思うようになりました。

「なぜ栃木リキュールはこの素材を選んだのか」と聞かれることがしばしばあって、どんなこだわりでこの素材に着目して始まったのか、ということだと思うのですが、私にとっての始まりは素材ではありません。

どんな場所で、どんな人が想いを持って日々を積み重ねているか、そうした人の手が育み愛しているものは何か。それは尊い時間の結晶です。地域と人の歴史が魅力的で尊いと感じた時に、そこには最高のものがあると信じて素材に手を伸ばします。そして、その素材をどういった雰囲気に加工して着地させるかは、やはり人柄や生まれ育ちに相応しいものでなければならず、人に回帰して考えます。つまり「味」や「こだわり」は些細なことで、どれだけ人を信じて地域を愛していくかということです。

有名なものは時代とともにうつろいますが、最愛のものはいつでも私たちにとって最高のものになり続けます。

栃木リキュールは常にローカルイメージを届ける加工者でありたいと願っています。​​そのインスピレーションはごく自然で、私たちはこの栃木で素晴らしい人と素材に囲まれ、出会い、それは限りなく続いていきます。永遠に概念として共有できる財産です。

大切な人と、大切な物を共有して、地域を愛して輝かせたいという願い。地域から新しい夢にチャレンジしていく思い。

栃木リキュールの手仕事は、シンプルで希望に満ちたローカルに根付いています。​

栃木リキュールのスタートライン

2016年NHK放送「栃木の果実で広がる未来!」

2016年、朝のNHK全国放送で「とちぎ銀行第一回女性ビジネスコンテスト」を通じた女性起業家の挑戦の様子が放送されました。

私の目指す酒造業は、法律的な実現性の低さ、利益の採算性の低さが指摘され、困難な展開を見せました。

プレゼン準備は3カ月前から面談が始まります。「あなたには向いてないですよ」と、経営者の資質や動機をふるいにかけることから始まって、修行のような作業でした。

利益の構築がどうしてもできず、「今のままバーで十分なんじゃないですか(※個人事業でBARを経営しています)」との焚きつけもありました。そのたびに、事業価値を信じているのは私だけだ、地域の未来に必要だと、悔しさに背中を押されました。

「原さんがただ作りたくてやるんであったら、それはビジネスじゃない」そう言われた時には、「誰が好きでやるものか」と思う逆説的な自分がいました。バーのままでは新陳代謝が起きにくく、いずれ店主とお客さんが年を経て、時代に取り残されていくように感じて、お客さんをそういう世界に連れて行きたいくないと思いました。未来への不安を回避する思いで動いていると言った方が適切でした。成長性のある事業のためならば、自分の暮らしが困難になる覚悟で望みました。もちろん厳しいアドバイスは、そうした困窮を見越してのものでした。

ローカルの飲食サービス業は、農業の土地や建築文化のように「見えるカタチ」に残しにくいものです。私は商業起点でお客さんと共有した感性を、その場限りで消えるものではなくカタチに残したいと思っていました。そしてお客さんが「憧れ」を語ってくれたことから、たどり着いたのが酒造業でした。

校正中のプレゼンは、BARの営業中にお客さんに紙芝居として何度も実演して、常連の方にも、初来店の学生からも、たくさんの知恵やアドバイスをいただきました。

本番当日の舞台上では皆さんの応援が私の勇気となり、思いがけず「最優秀賞」と賞金100万円をいただきました。私より先に、観覧席のお客様や銀行の方々が涙していました。

栃木リキュールはたった一人の会社と思われがちですが、たくさんの人の思いを私が集約させていただき、利益が出るまで責任を持って乗り越え、遂行していく覚悟で始めた会社です。

もちろん重たい覚悟だけでなく、バーテンダー時代からの柔軟な思考で、お客様のニーズに沿った舵取り、レシピやブランド作りといった、ものづくりの醍醐味を満喫させていただいています。

これからもより多くの方と繋がって、未来に引き継ぐことのできるローカルビジネスを目指して参ります。今後ともよろしくお願いいたします。

メールマガジン登録
  • ブラックFacebookのアイコン
  • ブラックTwitterのアイコン
  • ブラックInstagramのアイコン

株式会社栃木リキュール

Tochigi Liqueur

栃木県宇都宮市二荒町9-11KRB

Copyright © 2018 Tochigi Liqueur Inc., All Rights Reserved